本会議は、JASICアジア・太平洋地域活動の目的「アジア各国において、合理的な基準制定及び認証制度の整備の支援を通じ、国際的な基準調和の実現を図る」を具現化するためのステップとしてアジア諸国が自動車基準調和を推進する世界唯一のフォーラムであるWP.29へ参加することを目標において推進しています。
1998年10月に東京で開催した第1回会議以降、これまでにJASICはそれぞれ主催国の運輸関係政府機関と共催で、この会議を10回開催し、アジア14地域の運輸、環境、自動車車両規則に携わる政府関係者、自動車車両もしくは部品製造に携わる業界関係者を対象に、のべ1300人以上の参加を得ております。
過去10回の会議において、第1回〜第3回会議(1stシリーズ)では「自動車基準の国際調和及び相互承認を念頭において、アジア各国の最適な自動車基準・認証制度を見出すこと」をシリーズテーマとして意見交換を行い、「基準認証制度の整備、WP29への参加、1958年協定・1998年協定への加入」を今後の目標とした共同声明を発行致しました。
第4回〜第6回会議(2ndシリーズ)では先に発行した共同声明に記載された目標実現に向け「WP.29へのオブザーバ参加の実現及び拡大」をテーマとして、主にWP.29への参加阻害要因克服に向け意見交換を行い、結果として第6回会議で2ndシリーズのまとめとして「これまでの官民会議の成果、今後の基準調和活動の目標(WP.29/GRへの出席、58協定加盟)、将来の官民会議の姿、業界の協力」について新たな共同声明を作成し、同時に官民会議3rdシリーズのテーマを「ECE規則の採用とWP29/GR活動への参加の実現」と定めました。
第7回〜第9回会議(3rdシリーズ)では、「58協定に関する理解をより深かめる議論を行い、数カ国が協定加盟促進を表明」「WP.29における議論に参画してゆくことの重要性の確認と、次回にWP.29関係者を招聘して認識を深めること」「今後の活動の柱となる“専門家会議”を今後も継続して開催することの確認」などシリーズのテーマに沿った進展がみられました。
第10回官民会議が2005年にマレーシアで開催され、4thシリーズがスタートしました。
この会議では4thシリーズのテーマ、「Accession to the 1958 / 1998 Agreements and improved Asian presence in WP29」の目標とした、@アジア諸国の1958 / 1998 Agreements協定批准の実現と批准国の拡大、AWP29参加国の拡大とアジア実態の発信、B新官民会議への円滑移行を目途にアジア諸国間の連携強化について出席国間で幅広いかつ深い意見発表と意見交換を行いました。
目標1の国連協定加盟に関してはマレーシアがthe 1958 / 1998 Agreementsに加盟手続きを進めていること、タイが1958協定への加盟手続きを進めており加盟目前であることが報告されました。更に一部の国から両国に続いて2007年には1958協定加盟との意向が示され、アジアにおける1958協定下での相互承認を具体的に各国間で議論するための機が熟したとの認識を出席国は共有しました。
目標2のWP29参加国の拡大とアジア実態の発信については、日本、中国、韓国、インドの継続的WP29参加に加え、インドネシアが本年11月にオブザーバーとして初参加を実現しました。また、二輪車の排ガス試験方法について中国、インドからの提案に基づきWP29において活動が開始されるなど、着実にアジアの存在感が向上しています。
目標3の新官民会議への円滑移行を目途としたアジア諸国間の連携を強化については、インドネシアおよびタイから同年開催した専門家会議について報告がありました。またマレーシア、タイなど複数国から今後専門家会議を開催するとの意向が示され、今後JASICと具体的日程について調整することとしました。このような専門家会議の継続的開催が、アジア諸国間の連携の強化に繋がることが今回確認され、新しい官民会議の枠組みを構築していく重要な要素であるとの認識を共有しました。
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