第11回官民会議概要報告

 

1. 第11回官民会議概要
   
第11回官民会議は国土交通省の後援のもと、インドネシア運輸省陸運総局(Directorate General of Land Transportation (DGLT)とJASIC共催により、運輸、環境、工業、基準に係わる政府関係者、及び自動車製作者等の業界団体関係者等、オブザーバーを含め17カ国、約160名の参加を得て、2006年11月28日〜30日にわたりインドネシアのジャカルタにて開催した。
  
アジア14地域 :
ブルネイ、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、 ミャンマー、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、 タイ、ベトナム、ASEAN、日本
オブザーバー2カ国:
オーストラリア、南アフリカ
  
11月30日にはテクニカルツアーとして自動車部品メーカーの工場(PT.Astra Autoparts Divisi Nusa Metal、PT. Inti Ganda Perdana & PT. Gemala Kempa Daya)を訪問した。
  
2.  第11回官民会議の成果
               
第11回官民会議は官民会議4thシリーズのテーマ、「Accession to the 1958 / 1998 Agreements and improved Asian presence in WP29」の第二回目の会議であり、その目標とした@アジア諸国の1958 / 1998 Agreements協定批准の実現と批准国の拡大、AWP29参加国の拡大とアジア実態の発信、B新官民会議への円滑移行を目途にアジア諸国間の連携強化について出席国間で幅広い、かつ深い意見発表と意見交換を行った。

目標1の国連協定加盟に関しては各国の努力が実を結び、本年マレーシアがthe 1958 / 1998 Agreementsに、タイがthe 1958 Agreementに、インドがthe 1998Agreementへの加盟を果たし、アジア地域における自動車基準の国際化を進める制度上の基盤整備が大きく前進した。更に今回の会議でシンガポールが2007年または2008年に、フィリピンが2008年に1958年協定に加盟することを目標としていることを表明した。そして協定加盟の目的であるECEによる各国間相互承認および各国ごとの本格的な車両認証制度の確立に向けた取り組みが議論された。議論の成果として、総論としてECE基準を骨子とした車両認証制度の確立が各国共通の利益であるとの認識で一致し、ACCSQの地域相互承認制度の構想もその方向性が同一であるとの認識で一致した。各論としてその望ましい姿と目標に向けた具体的課題と進め方について議論を深めた。議長より協定加盟国が車両認証制度確立にむけた アクションプランの取り組みを開始し次回の官民会議の場でその活動状況を発表することが推奨された。

目標2のWP29参加国の拡大とアジア実態の発信については、日本、中国、韓国、インドの継続的WP29参加が定着し、タイ、マレーシア、インドネシアも確実に出席頻度を増やしてきた。また本年6月にはフィリピンがオブザーバーとして初参加を実現した。今後、専門家の育成とアジアの実態を発信するとの観点からGRsへの出席も含めて各国が継続的にWP29に参加することに努力することで意見が一致した。今回この官民会議に出席したラオス、ミャンマーも今後、58協定に関する理解を深めるためにWP29に出席することを検討するとの意向を表明した。

目標3の新官民会議への円滑移行を目途としたにアジア諸国間の連携強化については、その具体的活動の柱として3回のアジア専門家会議の開催が実現した。1月にはフィリピンが第4回専門家会議を、6月には香港が第5回専門家会議を、10月にはタイが第6回専門家会議を開催し、周辺数カ国から官民の関係者がこれらの専門家会議に自主的に参加した。これらの動きは主催国の開催に対する熱意の表れと同時に専門家会議開催の意義がアジア各国に深く浸透してきたことを実証するものとの認識で一致した。アジア各国は今後の専門家会議がアジア地域のアクティビティーにまで成長するため専門家会議の主催、同会議への参加を通じて協力していくことに意見が一致した。
今後、各国の要望により以下の専門家会議が開催される予定である。
2007
フィリピン:
型式認証制度
インドネシア:
1958協定への加盟
ベトナム:
1958協定への加盟
マレーシア:
ガラス
インドネシア:
車外騒音(二輪車、四輪車)
インド:
1958協定への加盟に関する行政上の問題
2008以降
インド:
ステアリング衝撃、内突
タイ :
二輪車の安全
マレーシア:
シートベルト、シート、シートベルトアンカレッジ、 ヘッドレスト
マレーシア:
タイヤ
ブルネイ:
2009年開催。テーマは今後検討。
ミャンマー:
2008年または2009年開催。テーマは今後検討。
会議の結果、今後の官民会議を通じた基準調和活動の方向性を確認し、かつ今後3年間に予定されている官民会議開催国をラップアップとしてまとめた。
  
3. 次回官民会議の開催
次回、第12回官民会議は、フィリピン運輸省(DOTC/LTO)との共催として以下のように合意した。

日程 :2007年11月 27−29日
開催地 : フィリピン
共催者 : フィリピン Department Of Transportation & Communications/ Land Transport Office、JASIC

代表参加者集合写真
オープニングセレモニー
パネルディスカッション
テクニカルツアー