第128回WP29の開催



国土交通省自動車交通局プレスリリース 平成14年11月13日

中山技術安全部長が日本の取組みについてスピーチ


−国連の自動車基準調和世界フォーラムにおいて−



 自動車基準の国際調和等の推進への期待が高まる中、自動車基準の国際調和および認証の相互承認の拡大に向けた日本の取組みについての姿勢を強調するため、中山自動車交通局技術安全部長が、11月12日から開催されている国連欧州経済委員会の第128回自動車基準調和世界フォーラム(WP29)に出席し、同フォーラムのオープニングセッションにおいて別紙1のとおり日本の取組み姿勢を表明しました。
 このスピーチに対し、WP29議長、EU(欧州委員会)、国連欧州経済委員会事務局及びOICA(国際自動車工業会)から、日本のこれまでの貢献と自動車基準の国際調和に対する積極姿勢を評価する旨の発言がありました。
 なお、最近の本フォーラムでの動きとしては、「国連の車両等の世界的技術規則協定(略称)(98年協定)」に基づく世界統一基準案(GTR)としてはじめての成果となる、車種区分等共通課題の世界統一基準案が合意に至っています。
   
<第128回WP29の概要>

日程:2002年11月12日〜15日

場所:ジュネーブ、国際連合欧州本部



(問い合せ先)

国土交通省自動車交通局技術安全部技術企画課
 斧田、河合

電話 03-5253-8111(内線42256)
03-5253-8592(直通)




 (別紙1)
 中山自動車交通局技術安全部長スピーチ
 
(基準調和について)
 日本は、自動車の国際流通の増大に伴い、自動車基準の国際調和の推進の重要性が高まっていると認識し、このような基準の国際調和を進める場としては国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が最もふさわしいと考え、これまで、WP29への積極的な関与、自動車基準認証国際化研究センター(JASIC)の創設などを通じ基準の国際調和の推進に大いに貢献してきた。世界の自動車業界からの最近の発言にも見られるように、現在国際調和の推進に対して改めて関心が高まっていることを踏まえ、日本としてもWP29をさらに活性化することに貢献していきたい。
 
 我が国は1998年の58年協定への加盟以来、基準の国際的な調和を推進し、現在、同協定の21の規則を採択するに至っている。今後とも、日本の安全・環境基準のレベルを低下させることなく、国内外からの要望や、基準調和による経済的効果等を考慮し、2003年度末までに優先度の高いものから30項目程度の協定規則を採択することとしており、その後も段階的な採択を進めていくこととしている。そのため必要な協定規則の改正提案も積極的に行なっていきたいので、協力を期待したい。
  また、世界統一基準(GTR)の策定を目指す98年協定に基づき、日本は現在、歩行者保護、車載診断システム(OBD)及び車両区分等共通課題の基準案の策定に主導的な役割を果たしているところであるが、世界的な基準の策定を目的としている本作業は重要であると認識している。歩行者保護及びOBDについては今年度に入って具体的な議論が開始され、また、車両区分等共通課題についてはGTR案がまとまったところである。今後とも日本はGTRの策定に積極的に貢献していく所存であり、各国の協力をお願いしたい。
  さらに、ITSは市販化段階に差し掛かりつつあり、このような技術が自動車の安全性を確保した上で支障のないよう市場に早期に導入されることが必要とされているが、そのための議論が開始されたことは非常に喜ばしく、今後、積極的な議論がなされ、既存の専門分科会で規則案を議論するという従来の枠組みや手法に捕らわれない自由な発想に基づくアプローチにより取組まれていくことを期待する。
  また、近年アジアの諸国に於いてもWP29への関心が高まり、実際に参加する国や加盟に向けての検討を始める国が出てきたことを歓迎し、同じアジアの国としてこれまでの経験を生かしてこれらの動きがさらに活発になるよう貢献していく。

(EFVについて)
  来年1月に東京で開催される環境にやさしい自動車に関する国際会議(EFV国際会議)にWP29からゴバーン議長が参加いただくこととなり感謝する。
  本会議は自動車に起因する大気汚染・地球温暖化等の環境問題の解決を促進することを目的としており、本会議が充実したものとなるよう今後とも協力をお願いしたい。


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