第10回 AMEICC−AI会議出席報告
(日・ASEAN経済産業協力委員会−自動車産業ワーキンググループ)

 

2007/9/11
JASIC・第二技術課 辻村 謙一

・概要

1.日程

2007年9月4日〜5日

2.場所

インドネシア・ジャカルタ (Gran Melia HOTEL)

3.参加国

カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、アセアン事務局、日本

4.日本関係者(敬称略)

経産省

自動車課 橋本企画官、苦瓜係長、技術協力課 松島係長

JAMA

国際統括部 岩武部長、岡、中村シンガポール事務所長、源所員
服部(トヨタ)、三枝(日産)、中川、吉沢、矢部(ホンダ)

JARI

廣田

JODCバンコク、JICA、JETROより各関係者、JASIC辻村


5.結果

AMEICC-AI会議に国土交通省からの照会により出席、長期取組み課題である、ECE規則にもとづく車両認証制度の相互承認にむけた基盤整備について紹介した。同時にJAMAからは、2010年を目途にしたアセアン各国の車両認証制度確立に向けた提案があり、関連深い2つのプレゼンテーションによって車両認証制度とその相互承認について理解を求めた。
周辺事項に関する質問、コメントはあったが、車両認証制度、相互承認制度そのものについては、特にコメントがなく終了した。


6.所感

議場外での政府関係者、業界関係者らとの会談において、認証制度やECE規則採用により、品質の均一性保持や、粗悪品の流入抑止により自国の優良産業の発展が促進されるなどのメリットについて、さらに理解が必要であると感じた。
今後、各国の58協定加盟の促進や国際車両認証制度の制定に、工業省の理解も不可欠であり継続的な説明により充分な理解を得ることが重要である。
最後に、このような貴重な機会を与えていただいた、経済産業省および国土交通省殿に感謝いたします。

・その他の議事


1.AMEICC-AI全体活動報告 (事務局)

活動の4本柱として、1)アセアン内流通と資本の増強、2)アセアン自動車産業の発展支援、3)CLMV諸国の自動車産業発展のための協力、4)モータリゼーションの発展促進 が掲げられた。


2.各国年次報告

2006年のアセアン諸国の自動車生産・販売台数は、横ばい又は減少傾向。
主な活動方針として、インドネシア、フィリピン、タイよりECE規則導入の取組みなどもコメントされたが、特に新しい情報はない。
経産省から、次世代燃料自動車への代替を促進、‘30年までに交通領域における石油依存度を100%から80%に低減、エネルギー効率の30%向上を提唱された。


3.自動車の認証と相互承認について

(ア) AAF/TC3活動報告 (AAF Bambang氏)
WG1での燃料改善と排ガス基準調和、WG2での型式認証制度制定、WG3でのECE規則導入の状況が報告され、またASEAN独自認可マークに反対の意向が示された。TC5より二輪車のECE導入方針が示された。

(イ) 車両認証制度の制定にむけて (JAMA吉沢氏)
2010年を目途にした、ECE規則にもとづくアセアン各国の車両認証制度確立へのアクションプランが提案された。

(ウ) 車両認証の相互承認について (JASIC辻村)
ECE規則に基づく車両認証の相互承認制度の概要と、その実現に向けた取り組みについて紹介。主な検討課題についても紹介、各国での58協定加盟に向けた課題などについてコメントを求めた。

 

(イ)、(ウ)に対する質疑応答

Q.自動車に関するMRAについて、ACCSQにて議論されている。58年協定に基づくMRをACCSQに説明してはどうか(カンボジア)

A.自動車のMRAについて、すでにACCSQ−APWGで説明を実施済みである。 

Q.日本でさえ58協定加盟に20年を要した。アセアン諸国に58協定加盟を求めるのは、非常に困難な目標だ。(マレーシア)

A.58協定を全世界対象の協定に改訂することに多くを費やした。改訂後は速やかに加盟しており、加盟そのものに20年を費やしたというのは誤解である。

Q.WP29下の協定には車両認証制度に関するMRAは存在しないし、ASEAN各国でのUNECE規制に基づく車両認証制度のMRAの2010年達成は不可能でないか?(同)

A.JAMAが提案しているのは、2010年までに各国ベースでの車両認証制度の構築UN-ECE規則を活用した技術要件の整備である。

Q.ECE採用に向けヒト・施設・金の問題がある、日本は何を援助してくれるか。(同)

A.一般的な困りごととしては理解するが、より具体的な課題を提示しなければ、日本政府も支援は不可能。明確に示すべきである。
(マレーシア) マレーシア−METI間で引き続き協議させて欲しい。

 

4.燃料性状と排出ガスについて

(ア) よりよい大気環境について (JARI廣田氏)
アセアンのモータリゼーションの急速な発展にともなう大気汚染の深刻化のデータと、それに基づく自動車の排ガス規制導入についての考え方が紹介された。

(イ) 環境改善のための自動車技術と燃料品質 (JAMA三枝氏)
排ガス規制と燃料性状の関連について説明がされた。
* JASICより、燃料性状は国際的な関心事であること、
11月に国連WP29でラウンドテーブルディスカッションが開催されることを紹介。


5.競争力のある国際的輸送へのパートナーシップについて (経産省自動車課 苦瓜係長)

アセアン域内での効率的な陸上輸送ルートの研究過程と、ICタグなどによる最新の効率的な物流管理の手法を紹介した。

以上

 

 


インドネシア産業省 Budi部長(前列中央)を囲んで集合写真


JASIC 辻村

JAMA 吉沢氏  


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